バック表と控除から手取りを計算して出す方法

面接でバック表を見せてもらうと、コースごとの金額がきれいに並んでいます。60分ならいくら、90分ならいくら、指名ならここに加算。数字だけを追うと、前の店より高く見えて、その場では悪くない条件に思えます。

ところが、最初の給料を受け取ると、頭の中で計算していた額と合わない。明細を見ると雑費や送迎などが引かれていて、バック表には出ていなかった数字がいくつも並んでいます。

バック表にあるのは一本ごとの取り分

ここでは、お客さんについた仕事ごとに自分の取り分として付く金額を「バック」と呼びます。コースの時間によって金額が違い、本指やオプションなどで加算される店もあります。バック表を見れば、一本仕事をしたときにいくら付くかまでは分かります。

ただ、そこに書かれた数字に一日の本数を掛けても、まだ手取りにはなりません。一日出勤すると決まって引かれるもの、本数に応じて引かれるもの、送迎など使った日にだけかかるものが残っています。バック表が高い店でも、この部分が大きければ最後に残る額は小さくなります。

求人ではバックの金額が前に出て、控除の細かい項目までは載っていないことがほとんどです。広告に出ている数字と、実際に働いた日の数字は、別のものとして読みます。求人の数字がどう作られているかは求人広告と実際の現場に差が生まれる理由にまとめています。

控除は一日ごとと一本ごとに分ける

控除という名前でも、引かれ方は一つではありません。出勤した日に一度だけ引かれる雑費などもあれば、仕事が一本入るたびに一定額や一定の割合を引く店もあります。送迎代や備品代のように、使った日だけ加わるものも分けて見ます。

一日ごとの控除なら、仕事が一本の日も三本の日も同じ額です。本数ごとの控除なら、仕事が増えるほど引かれる額も増えます。この二つを一緒に「雑費〇円」とだけ覚えていると、本数を変えて計算したときにずれます。計算の形そのものは、次のとおり難しくありません。

足すもの 引くもの
各コースのバック 一日ごとの控除
本指などの加算 一本ごとの控除
オプションなどの加算 その日に使った送迎・備品など

左側を全部足して、右側を全部引いた数字が、その日の手取りを見る出発点になります。税金や自分で払う交通費などまで混ぜると店同士を比べにくくなるので、まずは店の精算で実際に残る額までを出します。

一日の手取りは少ない日で計算する

一日に何本も入った日だけで計算すると、数字はかなりよく見えます。でも、店を選ぶときに知りたいのは、忙しい日にいくら取れるかだけではありません。予約が少ない日に出勤して、それでも続けられる額が残るかどうかです。

少ない日で計算する理由は、一日ごとの控除にあります。本数が減ればバックは減るのに、一日ごとの控除は一本の日も同じ額が引かれる。だから予約が少ない日ほど、バックのうち手元に残る割合が下がります。待機だけで終わった日は、出勤したのに手取りがマイナスになることもあります。

普段なら二本くらい、少ない日は一本くらいという働き方なら、その本数をバック表に当てはめます。そこから一日ごとの控除と本数ごとの控除を引き、送迎を普段使うならその費用も入れる。その本数で計算して残る額が、その店で働き続けられるかの目安になります。

求人に載っている「一日〇本」「月収〇万円」の例をそのまま使うと、自分には来ない本数まで計算に入ります。自分の過去の出勤を見られるなら、よかった日の本数ではなく、よくある日と少ない日の本数を使います。新しい店でまだ数字が分からないなら、面接で示された最大の数字ではなく、少なめの本数で一度計算しておくと、手取りの下の側が見えてきます。

指名料やオプションは別に足す

本指料、ネット指名、オプションなどがバックに加わる店では、全部を最初から計算に入れると手取りを高く見積もりがちです。毎回付くものと、ときどき付くものを分けます。以前の店で本指が一定数あったなら、その実績に近い数だけ加える形なら現実から離れません。

新しい店へ移った直後は、前の店と同じ数の本指が最初からいるわけではない。オプションも、お客さんやコースによって付く数が違います。まずコースのバックだけで一日を計算して、そのあと自分が実際に見込める加算を足すと、基本の手取りと上振れした日の手取りを分けて見られます。

この分け方をしておくと、バック表を二つ見比べたときにも数字を盛らずに済みます。加算が多い店より、基本のコースだけでも残る店のほうが、自分の出勤では安定することもあります。

控除は面接でまとめて聞く

バック表を見せてもらったら、控除も同じ場で確かめます。「雑費はいくらですか」だけだと、その名前の項目の答えしか返ってきません。聞きたいのは、一日働いたときにバックから引かれるもの全部です。

「一日出勤したときに決まって引かれるものと、一本入るごとに引かれるものを教えてください」と分けて聞くと整理しやすくなります。送迎や備品など使ったときだけかかる費用も、その場で分けてもらう。この二つの答えがあれば、さっきの計算を自分の数字でできます。

控除以外に面接で聞くことは面接で聞くこと・聞かなくていいことにまとめてあります。

控除の名前は店ごとにばらばらです。雑費、厚生費、施設費など違う名前でも、見るのは名前より「いつ」「いくら」引かれるかです。割合で引く項目なら、何に対してその割合を掛けるのかまで聞いておくと、あとから自分でも計算できます。お客さんが割引やポイントを使ったとき、その分が自分の取り分から引かれるのかも、ここで一緒に聞いておきます。

最初の精算で一度だけ答え合わせをする

入店したあとの最初の精算では、自分で出した数字と明細を並べます。何分のコースが何本入り、それぞれいくら付いて、最後に何が引かれたのか。面接で聞いた条件と同じなら、次の出勤からは自分でだいたいの手取りを出せます。

計算と合わなければ、差が出た項目をその場で確かめます。控除を一つ聞き漏らしていたのか、バックの計算を勘違いしていたのか、指名やオプションの扱いが違ったのか。ここで理由が分かれば、求人を見たときの数字と実際の精算がつながります。

明細を何回か見ても毎回計算のしかたが違う、説明を聞いても何を引かれたのか分からない。この状態なら、バックの高さとは別に、自分の手取りを前もって計算できない店だということになります。

求人を二つ開いて、一方はバック表の数字が高く、もう一方は少し低かったとします。そこへ自分が普段入る本数を当て、一日ごとの控除、本数ごとの控除、普段使う費用まで引いてみると、最初に高く見えた店の手取りが下になることもあります。