お店からの出勤確認と、母親からの「今日は帰るの?」が同じ画面に並んでいます。
どちらも見落とせないので通知は切れない。切ると別のところで困る。それで二台持ちにしようかと考え始めて、値段を調べて、そのまま止まってしまう。
そもそも、二台にするかどうか?は、一番最後に決めてること。
迷っているのは台数ではなく間違え方
二台を考える理由は、大きく二つに分かれます。
一つは、送り先や使うアカウントを間違えること。もう一つは、仕事のものを誰かに見られることです。
送り先の間違いは、仕事と私用が同じ一覧に並んでいると起きます。写真を選ぶ画面には宣材写真と旅行の写真があり、連絡先には客と友達がいる。急いでいるときに一段ずれる。慣れの問題ではなく、同じ形の選択肢が隣り合っているせいです。
見られるほうは少し違います。待機室では他人と長く同じ場所にいますし、家では置いてあるスマホを家族や恋人が見ることもある。開かなくても、通知だけで分かることがあります。
誤送信が怖いのか?画面を見られるのが怖いのか?それだけでも、必要なものはかなり絞れます。
一台のままで分けられるところ
端末を増やさなくても分けられるものは、思っているより多いです。
電話番号は、対応している端末なら二つ持てます。回線ごとに名前を付けて、発信のときに選ぶ形にもできる。番号を分けたいだけなら、二台は要りません。
アプリを見えにくくする方法もあります。特定のアプリにロックをかける、ホーム画面から隠す、仕事用のアプリとデータをまとめて別の場所へ置く。名前も対応している範囲も端末によって違いますが、やろうとしていることは同じで、切り替えるまで仕事のアプリが目に入らない状態を作ることです。
通知も、ロック画面に本文を出さないようにすれば、連絡が届くことと内容を読まれることを切り離せます。
困り事がこのあたりに集まっているなら、買い物をせずに今日から片づきます。先に片づける順番は仕事のことを知られたくないときにやることの順番にまとめました。
回線を足すときの選び方は仕事用の番号を持つときを参考にしてください。
一台だと手間が残るところ
一台でできない、というより、一台だと毎回の判断に迷うものがあります。
分かりやすいものが写真です。宣材の元データ、加工したもの、写メ日記に使うもの、客へ送るもの。仕事を続けるほど数が増えて、その中に私生活の写真も混ざります。送るたびに、これは出していいものかを目で見て確かめることになる。
端末の機能で分離できる場合もあります。ただ、問題は機能があるかどうかより、それを毎回きちんと使えるかです。急いでいる日ほど、切り替えを忘れます。
アカウントも似ています。Apple AccountやGoogleアカウントには、写真もバックアップも連絡先も集まる。分けたい部分だけ別のアカウントに寄せる方法はありますが、そのぶん「いまどちらでログインしているか」を自分で把握する場面が増えます。
どこまで分けると何が切れるかはApple ID・Googleアカウントを分ける理由で扱っています。
LINEだけを理由に二台にする必要はありません。同じアカウントを複数の端末で使う仕組みはあるものの、条件は端末やOSによって変わりますし、仕事用を別のアカウントとして持つなら電話番号から考えることになります。写真と通知をどうするかが決まらないうちにLINEから決めると、後で組み直しになります。
二台にすると楽になる人
「二台持ち」の意味があるのは、設定ではなく「間違えない仕組み」が欲しい人です。
- 仕事の写真をたくさん扱う
- 客や店とのやりとりが多い
- 家族や恋人に画面を見られる機会がある
- 一台の中で切り替えるのが面倒になってきている
二台あれば、写真も連絡も置き場所そのものが変わります。いまどちらを使っているかを毎回確かめなくていい。この差は、触る回数が多い人ほど大きくなります。
店のグループに入る機会が多い人も、最初に線を引いておくと後が楽です。グループに入れば、自分のアイコンと表示名は店員にも他のキャストにも見えます。私用のアカウントで入れば、私生活で使っている写真がそのまま業界の人の画面に並ぶ。しかも辞めたあと、自分で抜けるまで残ります。数か月後に近況が回るのは、だいたいこういう残り方をした情報からです。
出稼ぎが多い人も二台と相性があります。仕事中は仕事用を使い、私用は鞄に入れておく。それだけで切り替えが分かりやすくなります。
アカウントを新しく作るなら源氏名のSNSを私用と切り離す時に先にやることと同じ手順で足ります。
二台にしても減らないもの
二台持ちになれば、忘れる可能性のある端末も二台になります。仕事用を家に置いて出れば店からの連絡には気づけませんし、両方持ち歩けば充電と荷物が増えます。持ち歩く前提で考えないと、置いてあるだけの一台になります。
古いスマホを仕事用に回すなら、更新が続いているかを先に見ます。安全のために分けたはずの一台が、持ち物の中でいちばん弱い場所になっていることがある。値段より先に見るのはそこです。
そして、新しい端末へ今の環境をそのまま移し、同じアカウントでログインして同じ写真を同期すれば、台数が増えただけで中身は分かれていません。二台持ちで買っているのは、スマホがもう一台あることではなく、仕事と私用を混ぜずに済む分かりやすさです。
買う前に一週間だけ数える
決めきれないなら、一週間だけ今のスマホを見てみましょう。
把握するのは一つだけ。仕事で触ったときに、私用と混ざっていて嫌だと思った回数。そのたびに、何が原因だったかを一語だけ残しておきましょう。通知、連絡先、写真、アカウント。四つのどれかを書くだけで十分です。
一週間経つと、どこに寄っているかが見えます。通知と連絡先に寄っていれば、設定で片づく範囲です。写真とアカウントに寄っていれば、毎回の判断が残る場所なので、二台にするお金は無駄になりません。
スマホの値段から考えはじめると、要るのかどうか分からないまま止まってしまいます。先に見るのは「今一台で何回困っているか?」です。

