仕事用の番号を持つとき|SIMで見る六つのところ

仕事用の番号を持とうと決めた後、比較サイトを開いたはいいけど、結局そのまま閉じてしまうことがあります。

料金とデータ容量の表が並んでいて、どれも似ています。安いほうがいいのは分かるけれど、選ぶ理由が見つからない。

この用途では、月額料金だけで先に決めないほうが楽です。契約に何が使えるか、番号をどれくらい持つのか、その番号で何をするのか。そこまで決めると、候補はかなり減ります。

見るところは六つです。

仕事用でも契約は本名で進む

仕事用の番号だからといって、もちろん源氏名で回線を契約するわけではありません。個人で新しく契約するときは本人確認があり、書類を使って手続きを進めます。

ただ、これは仕事用と私用を分ける話とは別のところにあります。通信会社が持っている契約者情報と、その番号を渡した相手に見える情報は同じものではありません。番号を交換した相手に見えるのは番号だけです。

仕事用の番号を持つ意味は、契約名義まで別人にすることではなく、私用で長く使ってきた番号を仕事へ持ち込まないことにあります。店や仕事相手に渡す番号が別なら、私用番号を知っている人との接点が一つ減ります。

匿名の番号を作る話ではありません。仕事で使う入口を一つ分ける話です。

支払い方法で候補が変わる

次に見るのが支払い方法です。クレジットカード、口座振替、デビットカード。何を使えるかはサービスごとに違うので、料金表だけ見て決めても、自分が使えるもので払えなければ意味がありません。

名義も申し込む前に確認するところです。本人名義を原則としながら、家族名義のカードや口座を条件付きで認めている会社もありますし、オンライン手続きでは本人名義だけという場合もあります。家族のものを使うつもりなら、ここを先に見ます。

もう一つは明細です。私用のカードや家族と共有している口座から払えば、通信料金の支払いもそこに残ります。新しいカードまで作る必要はありませんが、誰が明細を見るのかは先に考えておくところになります。

長く使う番号なら持ち出せるかを見る

仕事用の番号は、使い始めると店や仕事相手へ少しずつ広がっていきます。半年後に通信会社を変えたくなったとき、番号まで変わると連絡先を直す相手も増えます。

長く使うつもりなら、番号を変えずに他社へ移れる手続き(MNP)が使える契約かを見ておきます。ここが使えれば、サービスを変えても番号だけ残せます。

短い期間しか使わない予定なら、見る場所は出口に変わります。解約するときに料金がかかるのか、解約月は日割りになるのか、短期の解約に条件が付いていないか。会社やプランによって違うところなので、契約時のキャンペーンより先に一度見ておきます。

安いから半年だけ使うのと、何年も同じ仕事番号として持つのとでは、選ぶ基準が入れ替わります。

その番号で何をするかを先に決める

SIMを選ぶ前に、仕事用の番号で何をするのかを決めます。分かれるのは三つです。

店から普通の電話が来るなら、音声通話ができる契約が要ります。店との連絡がアプリ中心でも、折り返しや送迎とのやり取りで通話を使うなら同じです。

見落としやすいのがSMSです。SNSや各種サービスの登録では、SMSで届く認証コードを使う場合があります。電話をほとんどかけないからとデータ通信だけで選ぶと、あとから登録のところで詰まります。

データ通信だけで足りるのは、店の連絡がアプリで完結していて、認証にも番号を使わない場合に限られます。

通話する量は、そのあとです。店への短い折り返しが月に数回なのか、客や仕事相手と話す機会が多いのか。ほとんど電話しない人が大きなかけ放題を付けても使い切れません。

出稼ぎがあるならエリアを先に見る

いつも同じ地域で働くなら、普段いる場所でつながるかを見れば足ります。出稼ぎの仕事がある人は、ここを優先します。

駅では入るのに店の建物では弱い。ホテルへ戻るとつながりにくい。地方へ行ったときだけ困る。仕事用の回線でこれが起きると、そのまま連絡の取りにくさになります。

見るべきはサービス名の知名度ではなく、利用する回線と提供エリアです。私用と仕事用で別の回線にしておくと、一方が弱い場所でもう一方が使える可能性が残ります。必ず分ける必要はありませんが、行き先が毎回変わる人には意味があります。

速度も同じで、数字上の最大値を比べるより、自分が仕事で使う時間帯に困らないかを見ます。地図と店への連絡と写真のアップロードが普通に動けば、仕事用としては足ります。

解約前に番号を使っている場所を外す

最後が出口です。確認するのはSIMそのものより、その番号をどこへ登録したかになります。

店の登録、仕事用のSNSやアプリ、ログイン時のSMS認証、パスワードを忘れたときの連絡先。ここに古い番号が残ったまま解約すると、あとから認証コードを受け取れなくなります。最初は一つだった登録先が、何年か使ううちに増えています。

解約したあと、同じ番号を自分がもう一度使うことはできません。そして手放した番号は、しばらく空いたあと別の人に割り当てられます。仕事用として使っていた番号を客が持っていれば、そのうち知らない人につながることになる。こちらでは止められないので、番号を変えるときは店側の登録を先に直します。

番号を残したいなら先に他社へ移す。番号を捨てるなら、登録しているサービスから先に外す。この二つは別の作業です。

料金は残った中で比べる

六つを同じ重さで見る必要はありません。自分の条件で先に決まるものから埋めると、順番のほうが決まります。

支払い方法が限られているなら、そこで候補が数社に減ります。出稼ぎが多いならエリアが先です。店から普通の電話が来るなら、音声通話に対応していることが前提になります。長く持つ番号にしたいなら、持ち出せることも外せません。

そこまで残ったものを並べて、最後に料金とデータ容量を見ます。

端末を一台のまま回線だけ足すのか、仕事用のスマホまで分けるのか。そこが決まっていないなら店の連絡と私用を分けるのに仕事用のスマホは二台いるかが先です。SIMを選ぶのは、持ち方が決まってからで間に合います。