仕事用にLINEを分けたいと思った時、最初に調べるのはアカウントを二つ持つ方法だと思います。番号をもう一つ用意するのか、端末を分けるのか。そのあたりから考え始めます。
ただ、アカウントを分けても、店のグループに誰がいるかは変わりません。スタッフ個人とつながれば退店後も関係は残りますし、お客さんまで同じLINEへ入れれば、辞める時に店の連絡だけ切ることもできません。
作り方を決める前に、どこまでを仕事用LINEへ入れるのかを整理します。
アカウントを分ける話は登録情報の話まで戻る
LINEでは、同じ電話番号などの登録情報を複数のアカウントへ重ねて登録できません。また、スマホでは一つの端末で一つのLINEアカウントを使うことが基本になっています。
なので、私用とは別のLINEアカウントを作るなら、登録情報と使う端末をどう分けるかという話が先です。今の私用アカウントの名前だけ変えても、アカウントそのものを分けたことにはなりません。名前もアイコンも、そのアカウントの表示が変わるだけです。
ここはLINEだけで考えるより、電話番号をどう分けるかと一緒に考えたほうが整理できます。電話番号を仕事用と分ける時に最初にやることで、すでに私用番号を教えた先から確認するのはそのためです。
新しいアカウントを用意する作業そのものは、一度やれば終わります。後まで残るのは、作ったアカウントを誰に見せ、誰とつなぐかです。
店のグループに入ると見える相手が一気に増える
風俗店では少ないと思いますが、店の連絡をLINEグループで回している場合、参加した時点で個別に友だち追加していない在籍者とも同じ場所に入ります。店や仕事と関係なく、キャスト同士でグループを作っているパターンもあるでしょう。
元も子もありませんが、先にリスクを考えましょう。
また友だちになっていない相手でも、同じグループにいれば名前とアイコンは見えます。相手ごとに見せるものを変える機能があっても、既定で出るのは普段使っているほうです。私用アカウントのまま仕事のグループへ入れば、仕事用に見せるつもりのなかったプロフィールが、同じグループの人から見える形になります。
ここは店によって人数もルールもかなり違います。小さい連絡グループだけの店もあれば、在籍者をまとめたグループ、送迎用、時間帯別など、複数に分かれている店もあります。
退店した人が残ったままのグループもあります。新しく入った側から見ると全員が今の在籍者に見えますが、実際にはもう店にいない人が混じっていることもある。入った時にメンバーを一度見るのは、誰と働いているかを覚えるためだけではなく、自分のプロフィールがどこまで見える場所なのかを知るためです。
つながる入口は一つではない
LINEで相手とつながる入口は、電話番号だけではありません。IDやQRコードがあり、同じグループに入ればそこからプロフィールへたどることもできます。
電話番号を知っている相手からの友だち追加や、IDによる追加は設定で止められます。仕事用を作った時は、最初から全部開けたまま使うのではなく、仕事で実際に使う入口だけ残します。新しいアカウントの設定は初期状態から始まるので、ここは作った日に決めておきます。
大事なのは、仕事用LINEを作った後の私用側です。以前から仕事関係者へ私用番号を教えているなら、仕事用アカウントを新しく作っても、私用側へつながる入口はそのまま開いています。
仕事用を作ったから私用はもう触らなくていい、ではなく、分けた直後に私用側も一度見ます。過去に仕事へ出した番号やIDから、まだ入れる状態になっていないかを確認するところまでが分ける作業です。
プロフィールを使い回すと二つのLINEがつながる
仕事用アカウントを新しく作っても、アイコンやプロフィールを私用から持ってくると共通点が残ります。新しく撮るのが面倒なので、手元にある写真をそのまま使いたくなるところです。
名前が違っていても、同じアイコンなら見覚えのある人には分かります。背景画像やプロフィールに書く文章まで同じなら、二つに分けた意味はさらに薄くなります。
写真そのものにも共通点が出ます。私用と仕事用のアイコンを同じ部屋で撮れば、家具や壁、カーテンなどが両方に残る。アカウント名を変えても、写真の側で同じ人だと分かる材料を作れます。
仕事用LINEを作るなら、そこで使う画像も仕事用として一枚用意します。プロフィールを豪華に作る必要はなく、私用からそのまま持ってこないだけで十分です。
スタッフ個人とのつながりは店を辞めても残る
店からのLINEは、店長やフロントなどスタッフ個人のアカウントから来ることがあります。出勤の確認も予約の連絡も、店の公式アカウントを通さずに個人から届く形です。
仕事用LINEで返していれば私用アカウントは守れますが、別の問題が残ります。店を辞めても、スタッフ個人とのLINE上のつながりは自動では終わりません。
グループなら退店時に抜ける場所が分かります。個人とのトークは一覧に残るので、何年か後に見ても「前の店の人」としてつながったままです。スタッフ自身が別の店へ移ることもあり、店との関係と人との関係は同じ時期に終わるとは限りません。
入店した時に、店からの連絡がグループなのか、スタッフ個人なのかを見ておくと、退店時に切る場所も分かります。誰から連絡が来るかは、連絡の便利さだけではなく、後に残る範囲にも関係します。
お客さんまで同じLINEに入れると出口が変わる
お客さんとLINEで直接やり取りするかは、店によって扱いが違います。禁止している店もあれば、本人に任せている店もあります。
ここでは返事の仕方より、誰を同じアカウントへ入れるかが問題です。店やスタッフとの連絡だけなら、退店時に仕事用LINEを整理する区切りがあります。そこへお客さんも入っていると、店を辞めても連絡を残したい相手と、店と一緒に切りたい相手が同じアカウントに混ざります。
だからといって、最初から三つ目のLINEを作る必要はありません。お客さんと直接つながらないなら考える必要がなく、数人だけなら一人ずつ整理できます。直接やり取りする人数が増えた時に初めて、店の連絡と同じ場所で管理していいかを考えます。
LINE・DMをどこまで返すかという接客側の線は、LINE・DMはどこまで返すべきかで分けています。
切っても相手の側には残る
退店時にグループを抜ければ、その後のメッセージは来なくなります。ただ、抜けたのは自分の側だけです。それまでに出した情報は、残っているメンバーの画面ではそのまま読める状態にあります。退会した人が過去に出した投稿やアルバム、ノートも同じで、自分の画面から見えなくなることと相手側から消えることは別です。
個人のつながりも同じです。相手をブロックしたり自分の友だちリストから削除したりしても、相手の友だちリストから自分のアカウントまで消す操作にはなりません。これは、仕事用LINEを「あとで全部消せる場所」と考えない理由になります。
退店時にできるのは、今後のつながりを止めることです。グループを抜ける、残したくない個人との連絡を整理する、使わなくなった仕事用アカウントをどうするか決める。過去まで巻き戻す作業ではありません。
分ける前に三つだけ決める
LINEを分ける前に決めるのは、店の連絡をどこで受けるか、スタッフ個人とどこまでつながるか、お客さんを同じ場所へ入れるかの三つです。
店との連絡だけを仕事用にするなら、範囲はかなり小さくできます。スタッフ個人、お客さん、以前の店まで同じアカウントへ足していけば、仕事用という一つの箱の中でも関係は増えていきます。
ここが決まってから、別アカウントが必要なのか、番号や端末をどうするのかを考えます。先にアカウントだけ増やすと、「この人にはどちらを教えるんだっけ」を毎回決めることになります。範囲を決めるのに端末も番号も要らないので、SIMを調べる前にここから始めると早いです。

