仕事用に作ったばかりのアカウントの候補欄に、高校の同級生だったりが出てきたことはないでしょうか?
何も投稿していないし、誰もフォローしていない。それなのに知っている名前が並ぶ。逆に、こちらの仕事用アカウントも向こうの画面に出ているのではないかと思うと、その日は少し落ち着かないもの。
たいてい、そのとおりのことが起きています。連絡先の同期は、自分が何を渡したかだけではなく、「相手が何を持っているか」でも線がつながるからです。
電話帳は投稿より先に使われる
アプリに連絡先へのアクセスを許すと、端末に入っている電話番号やメールアドレスがサービス側へ渡ります。渡すのは自分のプロフィールではありません。母親の番号も、前の店の店長の番号も、一度だけ連絡した相手の番号も、名前が付いたまままとめて渡ります。相手はそれを承知していませんし、こちらの画面にも連絡先へのアクセスを許可するかとしか出ないので、渡している実感がないまま進みます。
サービス側は、受け取った番号と、アカウントが登録に使った番号を突き合わせます。一致すれば、この二人は互いを知っている可能性が高いと判断できる。これが候補欄の中身です。
だから、まだ何も投稿していないから見つからない、とはなりません。候補に出てくるのは自分が調べた相手ではなく、自分の電話帳に入っている相手です。文章や写真より先に、登録情報と電話帳の側でつながります。
端末ごと分ける判断は店の連絡と私用を分けるのに仕事用のスマホは二台いるかにあります。
相手の電話帳はこちらから消せない
同期でややこしいのは、片側だけ止めても終わらないところです。
自分が連絡先を渡さない設定にしていても、昔の同級生が今の番号を持っているかもしれません。前の店の人や、一度番号を交換した相手の端末にも残っています。その相手が電話帳を渡せば、そちら側で一致が起きます。こちらが何もしていなくても線はつながってしまう。
候補の出し方や検索に使う情報はサービスごとに違いますが、この部分は共通です。相手の端末に残っている自分の番号を、こちらの設定画面から消すことはできません。自分で閉じられるのは、自分が新しく渡す分までです。
ここまでは誰にでも当てはまる話ですが、この仕事では電話帳の中身そのものが変わってきます。
体験入店や面接のときに番号を交換します。店から見れば、当日に連絡がつかないと送迎も出勤も回らないので、番号を聞くのは業務です。その店で働かないと決めたあとも、番号は両方の端末に残ります。何店舗か回れば、その数だけ増えます。
送迎担当と直接やり取りする店なら、その連絡先も入ります。店員や他のキャストと個別に交換することもある。客へ直接番号を渡している人なら、そちらも混ざります。
何年か働いて店を移ったりしていると、私生活の知り合いよりも業界の番号のほうが多い電話帳ができあがります。友達と家族だけが入っている電話帳とは、渡したときに起きることが違う。この状態で私用のアカウントに電話帳をつなげると、候補欄に業界の人が並びます。
困るのは私用側に出るとき
仕事用のアカウントは、見られる前提で作ります。源氏名と仕事用の写真があり、店の人や客から見つかっても想定の範囲です。
困るのは逆の向きです。前の店のスタッフや番号を交換した相手の候補欄に、私用のアカウントが出る。そこには本名に近い名前や、地元の友達や家族との写真があります。仕事用を見つけられるより、こちらのほうが相手の手に入る情報が多くなります。
非公開にしても、アカウントの存在そのものは消えません。アイコンと表示名だけで本人だと分かることもあります。
身バレ対策というと仕事用を隠すことばかり考えますが、連絡先の同期については、私用側を業界の人から遠ざけるほうが重要です。
同期を止めるのと渡した分を消すのは別の操作
対処に入ります。まず順番の話から。
連絡先へのアクセスを切れば、それ以降の同期は止まります。ただし、以前アップロードした分まで同じ操作で消えるとは限りません。削除の窓口が別に用意されているサービスもあり、名前も場所もそれぞれ違います。設定をオフにしただけで全部元に戻ったとは考えないほうがいいところです。
あとから消せないわけではありません。ただ、消す作業が要らないのは、最初から渡していない場合だけです。仕事用アカウントを作る前に連絡先の扱いを決めておく順番は源氏名のSNSを私用と切り離すとき先にやることにも書きました。
電話帳の掃除だけでは片側しか変わらない
昔の店や客の番号を全部消そう、と考えるかもしれません。整理する意味はあります。自分が渡す量は減らせるからです。
ただ、自分の電話帳から消しても、相手の電話帳にある自分の番号は残ります。掃除で閉じるのは片方だけです。
効果があるのは二つ。仕事と関係のないアカウントへ連絡先を渡さないことと、登録に使う番号を私用と分けることです。相手の電話帳にある番号と、アカウントに登録した番号が別なら、突き合わせても一致しません。設定を切るのは相手の分を止められませんが、番号が違えば照合そのものが成立しません。
電話帳の掃除は補助で、中心はどこへ渡すかです。
番号を渡す場面があとから残る
完全に切り離すことを考えると、無理が出ます。仕事用の番号を作っても、店へ渡せば店側の連絡先になります。別の店で面接を受ければ、またその先へ増える。仕事を続ける以上、誰の電話帳にも載らない番号にはできません。
そう考えると、判断する場所は「渡す時」の方に移ります。店との連絡に必要なら渡す。送迎で直接やり取りするなら使う。他店の面接で渡した番号は、そこで働かなかったなら、あとから何かに使われる可能性のほうが残ります。お客さんへ直接渡すかは、それより大きい判断です。同じ番号でも、仕事を回すために要る相手と、なくても仕事ができる相手では意味が違います。
電話帳は自分のスマホの中だけにある名簿に見えて、一度交換すれば同じ線が相手側にもできます。増やすときに一拍置けるかどうかが、あとから効いてきます。
お客さんの番号をどこまで持つかは個別の記事にまとめました。

