端末の容量が足りなくなって、写真を消すか迷ったところで手が止まる。宣材の元データも、日記用に撮ったものも、店へ送った分も、全部同じ場所に入っている。
クラウドを比べようとすると、容量と月額の表が並びます。数字だけ見ても、仕事の写真を置く場所は決まりません。先に見るのは、消えたら困る写真をどう残すか、私用と混ざらないか、店へ送った後に共有を止められるかです。
何を預けるかで必要な条件が変わる
仕事で扱う写真には、性質の違うものが混ざっています。
宣材の元データは枚数が少なくても一枚が重く、長く残します。撮り直すには費用と時間がかかるため、消えた時の損失が大きい写真です。保存先には、元の大きさや画質のまま取り出せること、使っている画像形式に対応していることが必要になります。
日記用の写真は毎日増えるので、すぐ取り出せることが優先されます。店へ送った写真は、掲載が終わった後も残すのか、一定期間で消すのかを先に決めます。
まず「撮り直せない」「しばらく使う」「送ったら役目が終わる」のおおまかに三つに分けます。同じクラウドを使う場合も、フォルダと保管期間は別にする。同じサービスの中で分けるだけでも管理できます。
気をつけたいのは、クラウドへの同期とバックアップが同じではないことです。同期型のサービスでは、一台で消した写真がクラウドや別の端末からも消えることがあります。宣材の元データは、外付けストレージなど、普段の同期につながっていない場所にももう一部残します。
私用と別のアカウントで持てるか
仕事用のアカウントを作れるかだけでなく、普段使う端末で安全に切り替えられるかまで見ます。アップロード画面で、今どちらのアカウントを開いているかが分かりにくいと、急いでいる日に私用側へ入れやすくなります。
自動バックアップの保存先も確認します。アカウントを二つ登録していても、写真が上がる先は一つだけという作りがあります。仕事用を作っただけで分離できたと思わず、実際に一枚上げて保存先を見ておきます。
家族向けの容量共有は、写真そのものを共有する設定とは限りません。反対に、共有ライブラリや共有アルバムが残っていれば、仕事用の写真が別の画面に出ることがあります。家族プラン、共有アルバム、同じアカウントでログイン中の端末は、別々の設定として確認します。
端末まで分けるか迷っている時は、仕事用のスマホを分けるか1台で使い分けるかも同じタイミングで見ると整理しやすくなります。
自動で上がる範囲と消した後を確認する
自動アップロードは、あるかないかより、対象をどこまで選べるかが大事です。カメラで撮った写真、端末内のフォルダ、動画、スクリーンショット、ダウンロードした画像。新しく作ったフォルダまで自動で対象になるかも見ます。
範囲を選べないと、身分証の写真、店から届いた資料、待機中に撮った店内の写真まで同じ場所へ上がります。後で消せても、アップロード前に除外する機会はありません。手動で選んだ写真だけを上げる使い方ができるなら、手間は増えますが混入は抑えられます。
設定した後は、対象のフォルダと対象外のフォルダへテスト用の写真を一枚ずつ置きます。片方だけ上がるかを見て、次に端末側の一枚を消し、クラウド側がどうなるかも確認する。「端末の空き容量を増やす」と「写真を削除する」が別の操作になっているサービスもあります。ゴミ箱に残る期間と戻す手順まで一度見ておくと、容量不足の日に削除と退避を取り違えにくくなります。
共有相手とリンクを後から外せるか
写真の共有には、指定したアカウントだけが見られる形と、URLを知っている人が見られる形があります。担当者が決まっているなら、前者で範囲を絞れます。URLだけで開けるリンクは送りやすい代わりに、転送された先まで管理しにくくなります。
リンクで送るなら、確認するのは共有を止められるか、期限を付けられるか、パスワードやダウンロード制限を使えるか、作ったリンクを一覧で見られるかです。機能によっては有料プラン限定です。候補にしている契約で使えるところまで見ないと、比較表では丸が付いていたのに設定画面に出てこない、ということが起きます。
店を辞めた時や担当者が変わった時、過去のリンクを一つずつ探すのは重い作業です。共有中の写真をまとめて確認し、相手を外せるサービスなら後の整理が短くなります。
元画像のダウンロードを許可する共有では、撮影日時や位置情報などがファイルに残る可能性もあります。共有用には位置情報を外したコピーを作ります。クラウドの設定だけで隠せるとは考えないところです。
端末をなくした時に外から止められるか
端末を落とした時、修理に出す時、機種変更で下取りに出す時。手元から離れる場面は、紛失だけではありません。
別の端末やパソコンから、ログイン中の端末を一覧で見られるか。その場で特定の端末だけをログアウトさせられるか。パスワードの変更だけで全て切れるとは限らないため、端末や接続中のセッションを個別に止められると扱いやすくなります。
ただし、クラウドからログアウトさせても、端末へ保存済みの写真まで消えるとは限りません。端末側の遠隔ロックや遠隔消去は別の機能です。クラウドの端末管理と、スマートフォン本体の紛失対策を両方使える状態にしておきます。
二段階認証も、認証コードの受け取り先がなくした端末だけだと、自分まで入れなくなります。回復用のメールアドレスや予備の認証手段を用意し、バックアップコードはその端末とは別の場所へ保管します。安全にする設定と、戻れなくなる設定は近いところにあります。
やめる時に元の形で取り出せるか
無料の容量で始めて、二年後にあふれる。移すのが面倒になってから、毎月払い続ける形になりやすいところです。
容量を超えた時と支払いをやめた時に、新しい写真だけが上げられなくなるのか、閲覧にも制限が出るのか、一定期間の後に削除されるのかを確認します。扱いと猶予期間はサービスや契約によって変わるため、申し込む時点の案内を読みます。
取り出し方も比べます。全てをまとめてダウンロードできるか、フォルダやアルバムの分け方が保たれるか、ファイル名と撮影日時が残るか、元の画質で戻せるか。使い始める前に小さなフォルダを一度書き出すと、出口が実際に使えるか分かります。
写真の内容によっては、私的な保管でもサービスの利用規約の対象になります。肌の露出が多い写真を置くなら、禁止事項とアカウントが止まった時の扱いも候補ごとに読みます。書き出しの手順を先に試しておけば、利用条件が変わった後も移動に取りかかれます。
容量と料金は残った候補で比べる
自分にとって外せない条件から候補を落としていきましょう。
私用と分けられないものは最初に外す。店への送付にリンクを使うなら、共有を止められることが前提です。宣材の元データを置くなら、元の画質で取り出せることと、出口を試せることが残す条件になります。
その後で、容量と料金を並べます。現在の仕事用フォルダが何GBあるか、直近数か月でどれだけ増えたか、次の撮影で元データがどのくらい増えそうか。写真の枚数ではなく、実際の容量から一年分を見積もります。
最初から長期契約にはしません。月払いで一か月使ってみると、料金表では分からない使いにくさが出てきます。
支払い元も一度確認します。クラウドの明細だけで写真の中身までは分かりません。それでも私用のカードや家族と共有する口座へ仕事の契約を残したくないなら、支払いも仕事用へ分けます。
仕事のことを知られたくない時に、端末や連絡先を含めて何から手をつけるかは、仕事とプライベートを分けたい時のまとめにまとめました。

