お客さんから来たDMをそのままコピーして、「これに返す文を考えて」とAIに貼る。
早いです。いちいち説明し直さなくていいので、めんどうも少ない。
ただ、貼った時点で、その文章は自分のスマホの中だけにある情報ではなく、使っているサービス側で処理される情報になります。保存期間やサービス改善に使われるかどうかはAIごとに違いますし、扱いが後から変わることもあります。
なので、設定だけで線を引かない方が安心です。写メ日記を書かせるのに必要のない情報は、最初から入れない。決めておくのはこれだけでOK。
名前より組み合わせのほうが怖い
源氏名だけなら、同じ名前の人はたくさんいます。店名だけでも、それだけで誰か一人まで決まるとは限りません。
問題になるのは組み合わせのほうです。源氏名と店名がそろい、そこに出勤する曜日や時間、よく使う駅、最近あった出来事が重なる。一つずつは普通の情報でも、まとまると絞る材料になります。
AIに日記を書かせるとき、この組み合わせはかなり自然に入ります。「〇〇店の△△です。明日は18時から出勤するので日記を書いて」のように、詳しく伝えたほうがいい文章が出る気がするからです。
でも、日記を書くために本当の名前や店名は必要ありません。源氏名は「A」、店名は「店」、日時も「明日出勤」くらいに変える。それでも文章は作れます。
毎日少しずつ渡すほうが起きやすい
月曜日に出勤の話をする。木曜日に常連さんの話をする。翌週には店のことを書く。
一つずつ見ると、そこまで気にならない情報です。ただ、同じ会話を続ければ、それまでに書いた内容を前提にやり取りできます。日記は一回作って終わるものでもないので、使い続けるうちに具体的な情報が増えていきます。
毎回「これは大丈夫かな?」と考えるのもしんどいので、名前を置き換える、店名と地名を出さない、正確な出勤時間まで必要がなければ書かない。最初からこの形にしておくと、その日その日で判断するものが減ります。
お客さんの文章はそのまま貼らない
自分の情報をどこまで入力するかは、自分で決められます。お客さんの情報は少し違います。
DMやLINEをそのまま貼ると、名前がなくても、相手が書いた文章そのものが入ります。仕事、家族、住んでいる場所、前回会ったときの話。本人しか知らない事情が混ざっていることもあります。
そして、お客さんはこの部分にかなり敏感です。店の側から見ていると、離れるきっかけは値段でも接客でもなく、自分の話が自分の知らないところで扱われていると感じたときが多い。指名で通っている人ほどそうなります。相手からは、AIに貼ったかどうかまでは分かりません。分からないぶん、こちらの扱い方が普段の会話に出ます。
返信を考えてもらうだけなら、原文が要る場面は多くないです。「三か月ぶりに連絡が来た。次の出勤を聞かれている。押しすぎない感じで返したい」。このくらいまで要約しても、返信案は作れます。
そもそも顧客の情報をどこまで手元に残すかは個別の記事で扱っています。
写真は文字と同じ感覚で上げない
写真を見せて日記を書かせたり、画像について相談したりする使い方もあります。
写真は、こちらが伝えようとしたもの以外まで一緒に入ります。鏡や窓への映り込み、机に置いた郵便物、予約画面、名札、レシート、部屋の特徴。撮影方法や端末によっては、画像ファイルに撮影日時や位置情報などのデータが含まれていることもあります。
自分では人物しか見ていなかったのに、背景には別の情報が残っていた。写真ではこれが起きます。
送る前に画面の端まで一度見る。必要な部分だけに切ってから使えるなら、そのほうが扱う情報も減ります。
写真のどこから場所が分かるのかは写真の位置情報を確認して消す方法にまとめました。
店の中の情報は自分だけのものではない
バックの割合、控除や罰金の具体的な金額、スタッフの名前、予約画面、店内LINEの文章、シフトの組み方。
自分の仕事についての情報なので、自分のものに見えます。ただ、同時に店の情報でもあります。店の外からは分からないものほど、知っている人が限られる。出どころが絞られやすいのは、名前より数字のほうです。
腹が立ったことを日記ではやわらかく書きたい、とAIに相談すること自体は普通に使えます。その時に、店長の名前も正確な金額も、店内LINEのスクリーンショットも要りません。「控除のことで店と話した」「スタッフとのやり取りで少し疲れた」まで落としても、文章を考える材料にはなります。
自分の体調の話も同じです。病院名や検査の結果まで渡したところで、日記が良くなるわけではないです。「少し休んでいました」で文章は作れます。
詳しく説明するほどAIがうまく書いてくれる、とは限りません。詳しくするのは、文章に必要なところだけで足ります。
過去の日記をまとめて渡すとき
自分の語尾や口ぐせを拾うために、過去の日記を何本かAIへ渡す使い方があります。やり方はAIで書いた写メ日記を自分の言葉に戻す方法に書きました。
この時も、そのまま三本貼らなくて構いません。源氏名、店名、地名、正確な出勤時間、お客さん個人に触れている部分を先に外します。
AIに見せたいのは、その日記に出てくる人物や場所ではなく、書き方です。「ほんと」をよく使うのか。「〜なんですよね」で終わることが多いのか。文章が長いのか短いのか。そこを見るだけなら、名前がAになっていても困りません。
迷ったらその情報がなくても頼めるかをチェック
細かくルールを作りすぎると、今度はAIを使うたびに止まります。
迷ったときに見るのは一つで足ります。その情報を消しても、頼みたいことが成立するか。
成立するなら、最初から持ち込まなくていい情報です。

