撮影の予約を進めていくと、最後まで残るのがヘアメイクをつけるかどうかです。普段から髪もメイクも自分でやっているなら、追加料金を払うほどなのか?と思ってしまう。かといって、せっかく撮影を頼むのに、そこだけ自分で済ませて写真が微妙になるのも嫌です。
料金表には「ヘアメイク付き」とだけ書いてあることが多くて、何をどこまでやってもらえるのかは、その一行から読み取れないことも多かったり。
決めきれないまま予約日が近づいてくるのは、ちょっと気が重いです。
ヘアメイクをつけると当日どうなるか
ヘアメイクを頼むと、撮影前の仕上げを人に任せられます。ただ、差が出るのは最初の仕上がりだけではありません。
何カットか撮っているうちに、前髪が落ちる、巻きがゆるむ、顔まわりの毛が乱れる。メイクも汗や衣装替えで崩れます。撮影中の直しまで入るプランなら、その場で整えて次のカットへ進めます。自分でやる場合は、鏡まで戻って直し、ポーズを作り直すところからやり直しになります。撮影の枠は時間で区切られているので、この往復が重なると撮れる枚数そのものが減ります。
つまりヘアメイク代には、最初に綺麗にしてもらう費用と、撮影中の状態を人に見てもらう費用の両方が入っています。また、後ろが入っていないプランもあります。
「ヘアメイク付き」と書いてあっても、最初のセットだけなのか、撮影中の直しまで含むのかは同じではありません。ヘアセットだけの場合もあれば、ベースからのメイクまで入る場合もあります。
自分でやって問題がない場合
普段の仕上がりをそのまま写真にしたいなら、自分でやる選択は普通にあります。出勤するときの髪型とメイクがある程度決まっていて、同じ状態を自分で作れる。撮影でも髪型を大きく変えず、衣装も少ない。ここに当てはまるなら、人をつけなくても撮影は進みます。
写真だけ別人のように作る必要もありません。宣材写真を見て来たお客さんが実際に会うのは、普段の自分です。撮影の日だけ髪もメイクも作り込むほど、写真と本人の差は開きます。
もう一つ見るのは、撮影中に自分で直せるかどうかです。前髪を整える、リップを塗り直すくらいで済むなら難しくありません。鏡の前で戻せる状態なら、ヘアメイクに使う分を撮影のカット数や写真の追加に回す考え方もあります。
撮る枚数が少ないときも同じです。プロフィール用に数枚撮るだけで、衣装は一着、髪型も変えない。それなら、撮影中に直しを頼む場面自体がほとんどありません。
人に頼むと楽になる場合
自分で作れるかどうかより、途中で崩れたときに自分で戻せるかを見ると分かりやすいです。巻き方やまとめ方に時間のかかる髪型、顔まわりを細かく作るスタイルは、最初は作れても撮影の後半まで形が保てません。前半のカットだけ良くて後半が使えない、という撮り方になります。
衣装を何着か使う撮影も、人をつける意味が出ます。首元の開き方や衣装の雰囲気に合わせて髪を動かしたいなら、そのたびに自分で作り直すより任せるほうが早い。
メイクも同じです。普段のメイクをそのまま使うのか、撮った写真を見ながら少し調整したいのかで、頼む理由が違ってきます。撮影に慣れた相手なら、画面に写った状態を見ながら顔まわりとメイクを直してもらえます。
ただし、ヘアメイクだけで全部片づく話ではありません。以前の宣材写真で顔まわりが重く見えた、髪が広がって見えたと感じたなら、髪の作り方で拾える範囲です。顔が暗く写った、輪郭が不自然に見えたという場合は、照明や撮り方も関係します。写真の不満を全部ヘアメイクに寄せて、そこだけ変えても同じ結果になることがあります。
入店したばかりで、どのくらいの雰囲気に寄せるか分からないときも、人に頼む形が向きます。ただし店名だけ伝えれば分かってもらえる、とまでは考えないほうが安全です。店のプロフィール写真を何枚か見せて、自分はどの方向へ寄せたいのかを言葉にする。そこまでやって、やっと認識のずれが小さくなります。
頼み先は大きく三つある
ヘアメイクを頼むと決めたら、頼み先は三つです。どれを選ぶかで、当日の移動と撮影中の直しの有無が決まります。
| 頼み先 | 料金の出方 | 撮影中の直し | 移動 |
|---|---|---|---|
| 撮影サービスのオプション | 撮影料金に追加 | プランによる | なし |
| 美容室やヘアセット専門店 | セット・メイク単体 | 基本はなし | ある |
| 出張ヘアメイク | 施術料+出張費など | 取り決めによる | なし |
いちばん手数が少ないのは、撮影サービスと一緒に頼む形です。予約をまとめられますし、撮影場所も同じ。撮影中の直しまで含まれるなら、人をつける利点をそのまま使えます。一方で、担当者を自分で選べないところもあります。髪型やメイクの好みがはっきりしている人は、過去の仕上がりを見られるかどうかも確かめておくところです。ヘアメイクの有無だけで撮影サービスを決めるわけではないので、料金やデータの受け取り方まで含めた選び方は宣材写真の撮影サービスを選ぶ基準にまとめました。
美容室やヘアセット専門店で仕上げてから向かう形は、いつもの担当者に頼めるのが強みです。「この前と同じ」で伝わる相手なら、説明にかかる手間はほとんどありません。弱いのは、完成してから撮影場所まで移動することです。移動のあいだに髪が乱れても、スタジオには直してくれる人がいません。
出張ヘアメイクは、指定した場所まで来てもらう方法です。スタジオ以外で撮るときや、撮影の前後で別の店に寄りたくないときに使いやすい。ただし出張費や最低利用時間が加わります。撮影中も残ってもらうのか、仕上げたら終わりなのかで、料金も頼み方も違ってきます。
値段より先にどこまで含むかを見る
同じ「ヘアメイク」でも、中身はかなり違います。安いか高いかを見る前に、何を頼んでいる料金なのかを確かめます。
- ヘアセットだけか、メイクまで入るか
- メイクはフルなのか、一部の直しだけなのか
- 撮影中の手直しまで含まれるか
- 担当者や仕上がり例を事前に確認できるか
- 衣装替えに合わせた変更を頼めるか
- 出張の場合は交通費や延長料金が別にかかるか
特に大きいのは、撮影中の手直しです。最初の仕上げだけなら、美容室で済ませる形との差はそれほどありません。撮影中も状態を見てもらえるなら、撮影サービス側で頼む意味が強くなります。金額だけを並べて比べると、この違いを見逃してしまいます。
予約の際に伝えておくこと
細かい注文を大量に送る必要はありません。ただ、全部お任せにすると、きれいにはなったけれど自分が欲しかった写真とは違う、ということが起きます。
まず伝えるのは、写真をどこに出すかです。店のプロフィールを中心に使うのか、日記やSNSにも載せたいのか。出す先が分かれば、どこまで作り込むかの話が早く済みます。
次に、欲しい雰囲気を一つか二つに絞ります。華やか、落ち着いた感じ、普段より少しだけ強め。この程度で十分です。言葉で伝わりにくければ、近い写真を見せます。衣装が決まっているなら、その写真も一緒に見せます。首元まで詰まっているのか大きく開いているのかで、髪を下ろしたときの見え方はまったく違います。
反対に、変えたくない部分も先に言います。前髪を短く見せたくない、分け目を動かしたくない、普段使わない色のリップは避けたい。ここは完成してから戻すのが面倒なところです。
ここで伝えるのは、髪とメイクについてだけです。構図や撮りたい角度をどう伝えるかは宣材写真の撮影前にカメラマンに伝えることで分けて整理しました。
迷ったら一度目だけ頼む
ここまで読んでも決まらないなら、最初の撮影だけ頼んで、そのとき何をどの順でやっていたかを見ておく手があります。どこを巻いて、どこを留めて、顔まわりに何を残していたか。仕上がりの写真が手元に残るので、次に自分でやるときの目標として使えます。頼んだ回の料金は、その日の写真だけでなく、手順を覚える分でもあります。二度目からは自分で仕上げて、崩れやすい部分だけ人に任せる。といった感じでもっと気楽に計画を立てることができるようになります。

